岡崎市にて「伝わる食育講座開催のヒント」というワークショップの第一回目の講師をつとめてきました。
50名余の参加。半分以上の方が、すでになんらかの食育活動をしているか、始めようとしているとのことで、皆さんの熱気が伝わってきました。
その講座で伝えたいことは何なのかをまずは明確に
これだけ食育という言葉が一般に使われるようになっても、食育講座には栄養の勉強か料理教室かがほとんど。もちろんそうしたことはとても大切です。
でも「食育」という視点からいえば、例えば料理教室を行うに際して、何を伝えたいから、あるいは現状がどう変わってほしいと思うからそのメニューを実習するのか、あるいは、教室の中で、どんな伝え方をしたら、その伝えたいことが伝わるのか、参加した人たちの考え方や行動の変化に繋がるのかを考えてプログラムを組む必要があると思うのです。
例をあげます。
数年前に開いた同様のワークショップで、「牛乳は低温殺菌の方が優れていると伝え
ところが、その料理教室の献立にはじっくり煮込む牛乳料理が。
「高温で加熱したらタンパク質が変成してしまうから低温殺菌が優れていると伝えたい」という彼女の「伝えたいこと」とずれてしまっています。
そのことを伝えるのに料理教室という手法が最適なのかということにも疑問があります。さらに言えば、低温殺菌牛乳の方が本当に優れているのかという点についても、調査やそれに基づく彼女なりの論拠を持つ必要もあります。
上のように、方法が目的とずれてしまっているケースあるいは、目的と方法を混同してしまっているケースが、実は少なくありません。
まずは目的を明確にして、そのための方法を考え、最後にまたその方法が目的とあっているかの検証をする。そうやって整理していければ、講座はもっとずっと充実したものになると思うのです。
何を伝えたいのかがはっきりしたら、最適な方法論を検討
今回のワークショップ、「何を伝えたいのか」を話し合ってもらったブレストであがってきたキーテーマは4つ。
食文化の継承
今食べているものが何からできているのかを知る
好き嫌いなく栄養バランスを考えて健康に食べる
食のサバイバル(どんな状況でも食べることができる力、生きる力)
二週間後には、各テーマごとに2班ずつ合計8班に別れての講座概要説明プレゼンを行い、皆で検討し、ブラッシュアップしていくことになります。
二回だけの講座なので、短い時間の中で内容盛り込みすぎかも、という一回目ではありました。講座修了後、皆さんほとんど誰も席をたたず、次回プレゼンにむけての討議が続いていました。次回が楽しみ。
今まで個で動いていた人たちが繋がり、地域発の、その地域ならではの着眼点、動き方で、食育をすすめていけるようになれば。今回の講座を開く私の目標は、これです。
達成できるように、一回目の感触をもとに、既にプランしている二回目の内容をブラッシュアップしてのぞみます。
こうした、食育講座を開くためのワークショップ、今後、力を入れていきたいと思います。
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尾島 多恵子 (火曜日, 18 9月 2012 20:33)
このワークショップに参加している刈谷市の尾島です。
フェイスブックをやっていないので、こちらからメールをしてみました。
食の探偵団の活躍をホームページで見させていただきました。こんなふうに食育に取り組むことができるのかと感心することばかりです。
21日に先生たちにまたお目にかかれることを楽しみにしています。
21日の宿題に関して質問です。
発表の仕方(4分間)はどんな方法にするかは、チームで当日考えるのでしょうか。
私としては、先回話し合ったことから、プレゼンにまとめてみました。これをたたき台にして最終まとめをして、本番の発表にと思っています。
ノートパソコンを持っていないので、メモリを持っていってもよいでしょうか?
それとも、紙に印刷して、持っていこうかとも思っています。
当日を楽しみにしています。
yukakosakai (火曜日, 18 9月 2012 20:53)
尾島さん、コメントありがとうございます。
21日は、まずは20分間、グループで最終の相談をを行っていただいてから、発表者をきめて発表をしていただきます。
当日は、模造紙を各グループに1枚用意しています。そこに書いての発表という方法が一つ。
メモリでということであれば、パソコンは用意していただいているので使うことも可能と思います。パワーポイントでしょうか?それともワードなど?ソフトが何かをお知らせいただければ、農政局の方に確認して準備ができるようにします。もしご質問がさらにあればinfo@shokunotanteidan.netまでメールをお送りください。
21日、楽しみにしています。