Taste of Americaというキャンペーンの一環で、アラスカ州の鮭を使った料理を食す機会があった。
天然にこだわり、持続可能、生態系の保護を徹底
アラスカ州では、1990年、魚の養殖を法律で全面禁止。
以来、アラスカのシーフードはすべて天然と、この試食会で初めて知った。
1959年、アラスカ憲法の中で「アラスカ商業漁業管理制度」を制定して漁獲管理をはじめ、74年には入漁制限を開始。
漁の方法、網の形状、漁期などはいうに及ばず、工場の建設や排水規制、森林保護など万全の体制でのぞむ。
こうした努力によって減少傾向にあった漁獲高は見事回復したという。
世界の魚需要が高まり、多くの国が養殖技術の向上による品質と量の確保にむかう中、アラスカは逆に天然にこだわることによって「持続可能」「生態系の保護」「澄んだ環境の確保」という道を選ぶ。
アラスカのこうした取り組みもまた一つの徹底した方法として注目に値するのではないだろうか。
アラスカの紅鮭は、いい意味でさっぱり、あっさり
さていただいた鮭のお味はというと、いい意味でさっぱり。臭みはまったくなく、脂っこさもない。かといってパサパサしているわけではない。
ちょっと連想したのは、日本の霜降り肉の旨さとアメリカのうまく熟成された肉の旨さの差。アメリカの熟成牛肉のステーキの旨さは日本の霜降りとは目指す方向が違い、これもまたとてもおいしい。
アラスカの鮭は塩をしてそのまま焼いてももちろんよいけれど、もっとさまざまな料理への展開がしやすいように感じた。日本では鮭というとどうしても朝食の焼き鮭のイメージから抜けられないのだそうだが、世界には鮭のおいしい食べ方はいろいろ。
ちなみに、この日にいただいた3品。
ライムで締めたカルパッチョ。コリアンダーとチャイブとともに。
グラブラクス 北欧料理のイメージで。塩と砂糖を使い軽くスモークしたものに、黒胡椒、コリアンダーパウダー、ディルの葉のソース。
サーモンケーク。蒸した鮭をクミンシード、マスタード、パプリカパウダーで風味づけしてクラッカーの衣をつけて揚げ焼き。
どれもおいしかったです。
とはいえ、白米のお供、ではなく、白ワインのお供、ですが。
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