調理実習をする機会に、いくらレシピを配り、説明してからはじめても、多くの方がすぐには頭にインプットできないということに気づきました。
これは、伝え方に問題があるのだろうと考え、「バラバラレシピ」という手法をアチコチで試しています。
その日に作る料理の完成形と材料表とを渡して、作り方をバラバラに切り離し、グループで話し合いながらどういう順番で調理したらよいのか並べてもらうのです。
レシピを読む力、レシピを作る力
一見どちらを先にやっても大差ないように感じることでも、それだけで一手間も二手間も違ってしまうこともあります。
たとえば、肉と野菜。野菜をまず切ってから肉を切る。
これが逆だとまな板や包丁を洗いなおす、あるいは別のまな板や包丁を使う必要があり、洗い物はどちらにしても倍になってしまいます。
冷ましてからでないと混ぜられない材料は、一番先に処理しておく必要があります。
逆に途中で鍋におまかせですむ時間があることがわかっていれば、その間に別の料理をする時間もとれます。
料理の段取りをまずは頭の中で組み立ててから始めること。
出来上がり時間にあわせて、コンロの空きや調理にかかる時間などをおおまかでよいので把握していれば、時間がかかりすぎることもありません。
レシピから料理の出来上がりを想像できるのは、楽譜から音楽を想像できることと同様に技術がいるのかもしれません
バラバラレシピを見て、いったいこれからどんな料理ができるのかを想像するというワークもしています。
料理をほとんどしない人からすると、料理本のレシピを読んで、そこからできあがる料理の姿が想像できることが不思議に映るようです。
楽譜から音楽を想像できるのと同様に、やはり一定の技術がいるのかもしれません。
まったく料理をしたことがない人が楽しく料理できるようになるためのメソッドを開発してみようかな?
まったく料理をしたことがない人のための、メソッドを作ることができたら、それも「できる」ことを目指すのではなく「たのしくなる」ものができたら、「続けたくなくなるものができたら」なんて、書いているうちに思えてきました。
それは、おしきせのレシピに頼るだけの料理から、自分でオリジナルの料理を創造することができる力を育むことに繋がるのでは?
ちょっと探求してみます。
コメントをお書きください
尾島多恵子 (木曜日, 14 3月 2013 09:38)
私は昨年愛知県岡崎市で、食の探偵団さんのワークショップ(食育を伝えるリーダー研修)に参加した一人です。
本当にその通りです。
65歳以上の男の料理教室をお手伝いした時に伝え方の難しさを感じ、それなりに工夫しましたが・。(終了しました)
作り方を伝える方法のヒントをさかいさんのこのブログからもらうことができました。
今は、子どもたちの土曜日の居場所つくりの一つとして、料理を作るという時間をこの1年に3回ですが担当させてもらいました。
こどもたちとの料理にも伝え方を考えていたところでした。
昨年、食まるファイブ応援団刈谷という団体を立ち上げました。バランス良く食べることの大切さを食まるファイブという食育キャラクターを使って伝えるとともに、料理の楽しさを体で感じてもらえたらと思っています。
来年度の事業に、こどもたちだけで朝ごはんを作り、迎えに来た保護者と一緒に食べるという料理教室を事業の一つにし、これからどのようなレシピにし、進めようかと思っていたところでしたので、先生のこのブログを読んで、やり方を真剣に考えてみようと思いました。
食の探偵団さかい先生のこのブログを楽しみに読ませていただきます。
サカイ優佳子 (木曜日, 14 3月 2013 19:01)
尾島さん、嬉しいコメントありがとうございます。
ついfacebookには書いていてもブログにあげないということも多くなってしまっていた昨今。
自分が考えたことを書いたことが、少しでもお役にたてたことをほんとうに嬉しく思います。
いろいろなことを考え、動き、ここに報告していきます。
ぜひ一緒に楽しい食の世界を広めていきましょう!
ありがとうございました。