福島の天栄村で有機栽培の米づくりを続けてきた農家グループの必死の努力を追ったドキュメンタリー「天に栄える村」を見る機会をえました。
放射能汚染物質を土壌から作物へ移行させないためのあらゆることを試す
3.11の前は4年連続で食味コンクールで金賞を受賞した実力者たちのグループ。
それでも放射能が降り注いだ大地で米をどうやって作っていけばいいのか、カメラは彼らの苦悩と決意との表情を追います。
さまざまな情報を集め、一つ一つ実験していく農家たち。
誰も経験したことのない事態。
誰も知らない解決策。
「今やめたら負けを認めることになる」
「何百年もの間、どんなことがあっても土地を守り米を作り続けてきた人たちの歴史を未来に引き継ぐために自分たちがどうにかする!」
そんな決意のもとに、あらゆる方策を試み、データをとり、とうとう「放射能汚染物質を土壌から作物へ移行させない」ことに成功するまでを描く(一方で、途中、相馬の農家の男性も出てくるのだが、彼は米を作りたくても作ることを禁じられている。彼が天栄村の田んぼを見て「田んぼはやっぱりこうでなくちゃ」と一人ごちるのが、切ない)。
一袋ずつすべてセシウム量の検査をしている福島の米は、実は日本一安全かもしれない
放射性物質未検出の結果がでていてもなお、やはり福島の農作物は今もなかなか買い手がつかないという現実がある。
福島の米はサンプル検査ではなく、一袋ずつすべてがセシウム量を検査し、未検出のもののみが販売されていることを思えば、実は今、日本で一番安全な米かもしれない。
安全と安心は違うので、「それでもやはり福島のものは食べたくない」という人がいるのはしかたがない。
でも、今、福島で行われている努力や、スクリーニングをえたものだけが販売ルートにのっているという事実を多くの人が知ることが、今、何よりも大切と思う。
「天に栄える村」上映会(二回)と、農業について考えるワークショップを11月30日、埼玉(川口)で開催します。詳細決まりましたら、またご案内いたします。
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