11/30(土)、イオンモール川口前川(埼玉県川口市)にて、「福島ふれあいミーティング」を開催しました。
福島県と福島県生協連が主催するイベント。今回は食の探偵団として企画を担当させていただきました。
福島の農業の今を知ることから始めたい
「福島の人たち、ほんと大変よね」
誰もが思っていることと思います。
でも、具体的に何か行動しているかといえば、していない人の方がきっと多いはず。
私もそうでした。
震災前には、福島の生協さんや学校給食に携わる方々に仕事で何度も呼んでもらい、食育のワークショプを開催したり、米粉の料理研修会をさせていただいたりしていました。スキーや避暑で磐梯山を訪れたり、会津の桜を眺め、おいしい料理に舌鼓をうち、会津漆や桐下駄も愛用してきました。
そんなわけで、「首都圏で福島の農業を知ってもらうイベントを開きたいので、手伝ってもらえないか」とお声がけいただいた時、できるかぎりのことを精一杯やらせていただきたいと思いました。
思い込みがあるとニュースも素通り?
「福島の米は全袋検査しているから、もしかしたら日本で一番安心して食べることができるお米かも」
新米が出る頃に、福島の米の全袋検査についてのニュースを見ていた時に私がそういうと、「全袋検査をしているなんて知らなかった」と友人。
福島の食べもの=放射能を浴びているから怖い
という思い込みがあると、テレビや新聞でいくら報道されていても、耳に頭に入らないのかもしれません。現状を知った上で「やはり安心できないから買わない」というのはしかたがないことと思います。でも何も知らずに、福島=危険と決めつけてしまうのは哀しい。
まずは知ってもらうための方法を考えようと思いました。
映画「天に栄える村」に涙
「天に栄える村」は、全国の米の品評会で何年もトップを続けてきた天栄村の米農家の震災前から震災後に渡る米づくりへの情熱を描いています。
「なぜこの村がこんなことに」「どうして自分たちがこんな目に!」という憤りや悔しさを、自分や家族が住んでいる、先祖たちが住んできたこの土地で、米を作り続けたい、未来に継承したいと、死にもの狂いといってもいい努力に変え、いいと思えることは何でも試していく人々。
それはついに、土地は放射能に汚染されてはいても、それを稲に取り込ませない方法を見つけ、食味もまた日本一を獲得する「奇跡」に繋がります。
今もそうして未来にむけて戦い続けている人たちがいることを一人でも多くの人に知ってもらうためにこの映画の上映を決めました。
そして、この映画をみて感動するにとどまらず、小さくてもいいので何かアクションに繋がればと、ワークショップも開催することにしました。
また、時間がなくても、たまたま通りがかっただけでも参加してもらえるように、売り場近くの会場では福島の農業ものしりクイズ大会を開催し、当たった人へのプレゼントをお渡しする際に、現状をしってもらえる蘊蓄をお話することにしました。
びっしりのコメント、想定人数以上のワークショップへの参加
アンケートには感想がびっしり書きこまれていました。
そして、映画終了後のワークショップにはこちらの想定以上の人数が参加してくれました。
ファシリテータは、この映画を事前に見てもらった時「涙がとまらなかった」と語り、「何か小さくてもいい、アクションに繋がるような工夫をしたい」と言ってくれたフリーアナウンサーの香月よう子さんにお願いしました。
福島から駆けつけてくれた福島大学の学生のうちの二人は、仙台出身。
合格の喜びも束の間。3.11が発生し、親も周りも進学に大反対の中、福島大学への入学を自分で決めた二人でした。
彼らが所属する小山ゼミでは、震災前から地産地消を進めるべく、農家とともにマルシェを開催してきました。震災後はとくに、自分たち学生が、しっかりと農家の話をきき、その努力と安全性を消費者に伝える役割を果たしたいと活動。ワークショップでも堂々と発表してくれました。
埼玉大学から参加してくれた学生たちとも意気投合。
両大学の連携に繋がればと願っています。
赤ちゃん連れの地元の主婦の方々も、話し合いに積極的に参加してくれ、「今回知った福島の農の現状を多くの人に伝えたい」と感想を話してくれました。
「天栄村のお米はどこで買えますか?」との質問も受けました。
自分にできる小さなことを積み重ねる人が増えれば、、、
福島の現状は決して他人事ではありません。
私たち消費者一人一人が、農とどうむきあっていくのかを考え、おいしく楽しく食べ続けていくために、ほんの少しでいいので、今の自分の暮らしを変えてみる。
そのほんの少しの変化が100に、100に。そして1万、10万と集まれば、大きな変化に繋がるはず。
私もまた、自分ができる小さなことを積み重ねていきたいと思います。
*「天に栄える村」は自主上映が可能です。ご興味のある方は是非に!詳細はこちらから
コメントをお書きください