厚労省「健康な食事」認証マークについて考える

厚労省が6日、来年4月から使うことができる「健康な食事」認証マークと、「健康な食事」に関する報告書案(正式名:日本人の長寿を支える「健康な食事」のあり方に関する検討会報告書案)を発表した。

認証マークの表示対象は、弁当や総菜、レストランのメニューなど、1食あたりの調理済み食品。生活習慣病予防を目的として基準を考えた、タンパク質、脂質、飽和脂肪酸、炭水化物、食物繊維、ナトリウム及びカリウムに目標量を設定。これを満たす調理済み食品にマークを表示できる。

というが、、、、。

「マークの普及状況をモニタリングする観点から、事業者のマークの使用状況について、国に報告する仕組みを構築すること」とあるが、そもそも審査はなく、事業者自らが厚労省の設定基準値を充たしていると判断すれば表示が可能というのはいかがなものであろうか。マークはダウンロードして自分で勝手に印刷できるということになるのだろうか?シールを有料にするとなれば、大きな企業には可能だろうが、小さい店では難しい可能性もある。報告書(案)にも記載があるが、このマークがついていない食品は健康的な食事ではないという誤認に繋がる可能性も否定できない。

目標量を設定する内容がそれでよいのかにも疑問が残る。たとえば、流通にある程度は許容せざるをえないという意見もあるだろうが、無用に多いと思われる添加物を含む食品かどうかといった視点はないのだろうか。

報告書(案)は、「マークのついた商品(料理)が手軽に購入できる環境が整うことは、健康の維持・増進に必要な栄養バランスを確保する食生活を無理なく持続させるために、食事の選択の幅を広げることになり、マークが多くの人々の目に触れることで「健康な食事」とは何かを社会に広げていくことにもなる。」とする。

外食、中食がこれからも増えていくのであろう傾向を考えれば、また、栄養の知識が極端に欠けているケースをみかけることも少なくないことを鑑みれば、こうした基準の必要性もわからなくはないが、運用のしかた次第でまったく意味のないものにもなりかねない。

実施までにさらなる検討が重ねられることをのぞむ。

厚労省のホームページで報告書(案)が読める(pdf)。
ご興味のある方はぜひに。