あるきっかけで「公邸料理人」という言葉を初めて意識した。
外国にある大使館などの日本の公館において、その国の政財界の有力者等を招いての食事会にコース料理を提供する役割を果たす。外務大臣に認められた資格だ。
(参照:外務省ホームページ当該サイト)
外務省の外郭団体「国際交流サービス協会」がその育成及び選任を行っている。
「調理師としての免許を有する者又は相当期間にわたって料理人としての職歴を有する者」が応募に関する要件の一つとなっているのだが、実は近年、日本人だけではなく、タイ人の日本料理人が多く採用されているという。
共同通信社によると、その理由は、派遣先によっては治安が悪い、宗教上の理由による生活の制約、厳しい気候などにより日本人が行きたがらないため。そこで、上述の国際交流サービス協会が日本料理店のレベルが高いタイに目をつけ、タイでの育成教室を開始したのだという。
少し古いデータではあるが、1993年から2008年の間に約100人のタイ人が公邸料理人として養成された。
平成25年、優秀公邸料理人15名のうち2名はタイ人
実際、外務省のサイトを見てみると、平成25年に表彰された「優秀公邸料理長」15名のうち2名はタイ人だ。
大使館などを始めとする在外公館でタイ人料理人が素晴らしい和食のコースを提供して喜ばれているという現状は、ある意味、日本食が世界に広まっているということで喜ぶべきことでもあるのかもしれないが、ちょっと複雑な気持ちになるのは私だけだろうか。
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