漁獲量はピーク時の半分以下。40年で漁業就業者は1/3に。
日本の漁業に何が起きているのかをデータや歴史をもとに描く濱田武士氏の文章は読みやすく整理されている。
漁業者も漁船も減り、高齢化が進む。生産量が減る。
その背後で、人口減少だけでなく、1人あたりの食品消費量も低迷(少子高齢化が進み、1人あたりの食品摂取量が減った)、さらには料理したり食べたりに手間がかかる魚食ばなれも進む。
となれば、たとえ景気が回復したとしても、漁業の縮小傾向は免れないとする。
漁場の再生、漁業管理体制の維持、コストアップの要因になっている制度の緩和、後継者対策、漁業検疫の再調整、魚食普及、卸売市場の再生 etc.と著者は最後にあげてはいるのだが、具体的な方策まではこの本では踏み込まれてはいない。
漁業の現状を知るにはとても役に立つ本だと思うが、さてではどうする?については、著者のみならず日本の誰にも自信をもってこれ!と言える解決策が見えないのが現状ということなのか。
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