「農業問題-TPP後、農政はこう変わる」(本間正義著
ちくま新書)を読む。
ちなみに、本間氏は第二次安倍政権で規制改革会議農業改革グループの専門委員を勤めている。「攻めの農業」派。
TPPを利用して日本の農業の歪みを是正するべき、と本間氏
日本の農業には改革が必要だという点では、TPPに賛成反対を問わず共通しているとした上で、農業保護に傾斜しがちな政治的歪みを是正するためには、外圧、グローバル化によるしかないと主張する。
農業の特殊性(①土地との関連、②農業に使うヒト、モノは他に転用しずらい、③限られた新規参入)はあっても、価格形成は市場の受給に任せるべきというのが、本間氏の基本的な考え方。
①労働者の高齢化②農地集積の停滞③限られた新規参入という日本農業の衰退の原因をTPPを機会に一掃し、made by
Japanese(海外での日本人の管理に基づく生産)も視野に入れ、コメ文化圏としてのアジア地域共同の食料安全保障のしくみを充実させていくことが重要と説く。
先日読んだ「農業がわかると、社会のしくみが見えてくる」(生源寺眞一氏)の本に比べると、自由貿易主義側。外圧を利用して農業の本格的構造改革に着手すべきとする。
問題とすべきは食料自給率の低さ(食料「生産」に関するリスク)単体ではなく、食料「供給」に対するさまざまなリスクであるという点では共通している(例:生産地で作っていてもそれを運ぶ手段がなければないと同じ、など)。
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