こんなことだったとは、、、ととても残念です
追記:このブログを書いてすぐに、昨日のテレビ朝日で放送されたニュースのことをある方から教えていただきました。
私は決してお金をいただいて書いたわけではないです〜(笑)。
「夏休みの最中にこれだけたくさんの学生さんが集まるんだ!それも可愛い子がすごく多いんだけど。今どきの学生さんたちは意外に真面目なんだな」と不思議に思っていたのですが、お金を渡して学生を集め、遺伝子組み換えについて好意的なSNS投稿を促していたとのこと。
品種改良の必要性や歴史、現状などが説明され、わかりやすくいいイベントだったと思うだけに、こうしたことが行われていたことはとても残念です。
また、遺伝子組み換えやゲノム編集については、「本当のところ安全性どうなの?」という懸念を持つ人が少なくない中、こうしたことが行われることで、「結局企業がいうことは信用できない」と全否定につながることにもなり、品種改良の分野の研究全般について悪い影響がでないことを望みます。
ゲノム編集って何?から、学生向けのイベントに参加してみました
ここしばらく「ゲノム編集」と言う言葉をよく聞くし読むので、ちゃんと知っておきたいなと思っていた矢先、8月2日、恵比寿で日本モンサントと筑波大学の共催の、高校生、大学生向けのイベントがあると知り、出かけてきました。
(食生活ジャーナリストの会の会員ということで、入れていただきました)
「品種改良から見る食と農の歴史と未来」
<高校生大学生ゲノムマイスター選手権>
農学や自然科学に関心のある学生を中心に中学生から社会人大学生まで54名が参加(可愛い女の子がとても多かった理由は謎w)。
これからの食料供給が直面する課題は何かがまずは提示されました。
一人分の食料生産に使える農地が2050年には60×20mになってしまう(1961年には60×60mだった)と言う数字は初めて知りました。
人は農耕が始まった12,000年前から様々な品種改良技術を発展させてきましたが、1900年のメンデルの法則の後、1960年代から
品種改良が一気に加速したと言います。
代表的な品種改良技術はこの4つ
今も行われている品種改良技術の主なものは以下の4つ。
1)交雑
交配できる品種を掛け合わせて双方の遺伝子の組合せを変える方法。20年くらいかかってしまう。メリットとしては複数の遺伝子が関わる特性を改良できること。(例 コシヒカリ、ササニシキ)
2)突然変異
放射線や薬剤などでDNAの配列をランダムに切断して、それが修復される際に起こる変異を利用して遺伝子を変える方法。(例 冷めても硬くならないコメ=ミルキークイーン)
3)ゲノム編集
狙った遺伝子だけを切断し、それが修復される際に起こる変異を利用して遺伝子を変える方法。突然変異よりコントロールしやすい。(例 シンク能改変イネ:収量増加、現在試験栽培中)
4)遺伝子組換え
通常なら交配できない生物から単一の遺伝子を組み込むことによって遺伝子を変える方法。(例 スギ花粉米、ゴールデンライス:ビタミンA欠乏症を防ぐ)
酸味を甘く感じる、ミラクリントマト
研究者の方々も参加し、開発した品種の動画を流し、質問に答えてもくれました。
例えば、遺伝子組換えによって生まれたミラクリントマト。
「ミラクルフルーツ」というフルーツに含まれるミラクリンというたんぱく質には、酸味を甘く感じさせる性質があるものの、ミラクリンそのものの栽培は日本では難しく日持ちもしないことから、遺伝子組み換え技術を利用したミラクリントマトを作っています。効率的にミラクリンを作り、糖尿病の治療やメタボリックシンドロームの予防に役立てようという試み。
現在検査段階とのことで、もう2年ほどでミラクリントマトが市場に出回ることになるのでは?とのことでした。
高血圧予防につながるGABAを多く含むGABA高蓄積トマト
こちらはゲノム編集で開発されたGABA高蓄積トマト。
高血圧症予防やストレス緩和に効果があるとされるGABAを、1日一食このトマトを食べるだけで予防できるほどの量を含むのだそうです。
何年か前にはGABAは確かにそういう効果を持つが経口摂取でそれが可能かはわからないと聞いたことがあったので質問を投げかけてみると、近年、「乳酸菌を使った実験で、GABAは経口摂取でも確かに効果があることが実証されている」との回答をいただきました。
クイズで、さらに知識の定着を
最後はクイズ大会。
高校生・大学生向けのイベントとのことで、とてもわかりやすく、第一線の研究者たちと話すことができ、またクイズ大会を加えたことで、知識の定着にも役立ついい作りのイベントと思いました。
遺伝子組み換え、ゲノム編集の今後は?
遺伝子組み換えというと、除草剤耐性作物など、○○サント社などによる遺伝子組み換えの種と農薬をセット販売のイメージに直結して、とにかく悪いもの、避けるべきものと感じている人も多いと思います。私自身もそうでした。
遺伝子組換え作物については、眠っていた遺伝子が活性化することで想定外の有害物質が発生するのではないか、長期間食べても本当に問題ないのか、問題があるとわかった時には、非遺伝子組み換え作物と交雑してしまい、収拾がつかないのではないかなど、懸念する声は大きいのも確かです。
ただ、例えばGABA高蓄積トマトのような「健康」にいいことをうたう商品が店頭に並ぶようになったら、手に取る消費者も増えていくのではないかとも感じました。
画期的な発明と言われるゲノム編集は、遺伝子組み換えや突然変異といった方法に比べて確実性、安全性は際立って高いとされていますが、これによって作られた食物に、消費者にわかるような表示が必要かどうかが今検討されています。
この話題については、これからも追いかけていきたいところです。
種について知り、考え、語るシェアReadingの会、開催します
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