シェアReadingの会〜食の備蓄を考える③

発酵学者の小泉武夫氏の著書「賢者の非常食」を読んでみました。

日本の伝統的発酵食品である味噌が

非常食としても役立つことを紹介し、

漬物類や乾物もおおいに利用すべきと、

賢者が選ぶべき非常食品ベスト20をあげています。

干し納豆の作り方などは、
参考にさせていただきたいなと思いました。

「賢者の非常食」
「賢者の非常食」

ちょっと疑問なことも、、、

ただ、読み進めると、

「非常食」と言うにはちょっと無理があるような記述も

多く見られるのでした。

 

例えば、非常食品のベスト20のリストに

ヨーグルトが含まれる件。

 

非常時をどう捉えるかで違うかもしれませんが
(パンデミックで家庭から出るなというタイプの非常時もある)
一般的には、電気が使えない=冷蔵庫が使えないということを

意識して考えるのが普通と思われます。

一般的に売られているヨーグルトは

要冷蔵とされています。

特に、第6章の「非常時に力が出る究極のレシピ」は、

普段の食事には良いかもしれませんが、

なぜこのラインナップになったのか不思議です。

インスタントラーメンを作る時に、

他に豚肉と野菜類を切って炒めて

とろみをつけたものをのせると美味しい
(鍋を二つ使うのは洗い物だけでも大変では?)
とか、

肉を二度揚げすると美味しい
(非常時に揚げ物はないのでは?油の処理はどうするのか?)
とか、
茹でて冷やしたそばを使ったサラダ
(水が貴重な時にこれはできないのでは?)
とか、
千切りにして炒めたじゃがいもと千切りのキャベツに
別に作った目玉焼きをのせるサラダ
(千切りにする手間をかけるか?別炒め、別焼きするか?)
とか
何か意図があったのか、、。

「被災した厳しい環境のなかでつくる料理ですから、誰もが手早く確実につくれる料理を厳選しました」とあるのですが、、。

発酵と乾燥によって、人類は食べものを保存してきた

非常食といってもいろいろな段階もあるので、

そうした段階にわけてのレシピでないと、
実際の役には立たないのではないかと感じました。

ただ、いずれにせよ、
普段どんなものを家に備えておくのか、
どういう料理をするのか、
といった日々の行動によって、

非常時に何ができるかは限定されてくるということを、

この本を読んでいて強く感じました。

発酵させること、乾燥させること。

人類は基本的にこの二つの方法で

食べものを保存してきたわけで、

そうしたものを日々の暮らしに取り入れていることは、
確かに賢者の「食卓」とは思いました。

賢者の「非常食」のタイトルは、誤解を生むかも、、。

そこがちょっと残念に感じた一冊でした。

近日予定の講座、イベント

<シェアReadingの会>

1月26日(土) 10:00〜12:00

まがりBOOKS&シェアReadingの会in中山

テーマ「家庭での備蓄について考える」
横浜市緑区中山
参加費 2,500円(税込)

ファシリテーター サカイ優佳子(詳細はこちらから)

<乾物×防災>

1月25日(金) 11:00〜13:00(キャンセル待ちのみ受付中)

乾物で、防災食もこんなに変わる!

〜もしもの時にも慌てないレシピ〜

新宿区落合
参加費 5、000円(税込)

講師 DRYandPEACE(詳細はこちらから)

2月12日(火) 11:00〜13:00

乾物で、防災食もこんなに変わる!

〜もしもの時にも慌てないレシピ〜

新宿区落合
参加費 5、000円(税込)

講師 DRYandPEACE(詳細はこちらから)

3月7日(木)①11:00〜12:00 ②14:00〜15:00

火がなくても作れちゃう!普段も美味しい!乾物防災食入門
TSUTAYA町田木曽店
参加費 各回とも2,000円(税込、ミニお土産つき)
講師 DRYandPEACE
(詳細はこちらから)


3月9日(土)11:00〜13:00

乾物で、防災食もこんなに変わる!
〜もしもの時にも慌てないレシピ〜
八王子 埼玉屋本店
参加費 4、000円(税込)
講師 DRYandPEACE
(詳細はこちらから)