発酵学者の小泉武夫氏の著書「賢者の非常食」を読んでみました。
日本の伝統的発酵食品である味噌が
非常食としても役立つことを紹介し、
漬物類や乾物もおおいに利用すべきと、
賢者が選ぶべき非常食品ベスト20をあげています。
干し納豆の作り方などは、
参考にさせていただきたいなと思いました。
ちょっと疑問なことも、、、
ただ、読み進めると、
「非常食」と言うにはちょっと無理があるような記述も
多く見られるのでした。
例えば、非常食品のベスト20のリストに
ヨーグルトが含まれる件。
非常時をどう捉えるかで違うかもしれませんが
(パンデミックで家庭から出るなというタイプの非常時もある)
一般的には、電気が使えない=冷蔵庫が使えないということを
意識して考えるのが普通と思われます。
一般的に売られているヨーグルトは
要冷蔵とされています。
特に、第6章の「非常時に力が出る究極のレシピ」は、
普段の食事には良いかもしれませんが、
なぜこのラインナップになったのか不思議です。
インスタントラーメンを作る時に、
他に豚肉と野菜類を切って炒めて
とろみをつけたものをのせると美味しい
(鍋を二つ使うのは洗い物だけでも大変では?)
とか、
肉を二度揚げすると美味しい
(非常時に揚げ物はないのでは?油の処理はどうするのか?)
とか、
茹でて冷やしたそばを使ったサラダ
(水が貴重な時にこれはできないのでは?)
とか、
千切りにして炒めたじゃがいもと千切りのキャベツに
別に作った目玉焼きをのせるサラダ
(千切りにする手間をかけるか?別炒め、別焼きするか?)
とか
何か意図があったのか、、。
「被災した厳しい環境のなかでつくる料理ですから、誰もが手早く確実につくれる料理を厳選しました」とあるのですが、、。
発酵と乾燥によって、人類は食べものを保存してきた
非常食といってもいろいろな段階もあるので、
そうした段階にわけてのレシピでないと、
実際の役には立たないのではないかと感じました。
ただ、いずれにせよ、
普段どんなものを家に備えておくのか、
どういう料理をするのか、
といった日々の行動によって、
非常時に何ができるかは限定されてくるということを、
この本を読んでいて強く感じました。
発酵させること、乾燥させること。
人類は基本的にこの二つの方法で
食べものを保存してきたわけで、
そうしたものを日々の暮らしに取り入れていることは、
確かに賢者の「食卓」とは思いました。
賢者の「非常食」のタイトルは、誤解を生むかも、、。
そこがちょっと残念に感じた一冊でした。
近日予定の講座、イベント
<シェアReadingの会>
1月26日(土) 10:00〜12:00
まがりBOOKS&シェアReadingの会in中山
テーマ「家庭での備蓄について考える」
横浜市緑区中山
参加費 2,500円(税込)
ファシリテーター サカイ優佳子(詳細はこちらから)
<乾物×防災>
1月25日(金) 11:00〜13:00(キャンセル待ちのみ受付中)
乾物で、防災食もこんなに変わる!
〜もしもの時にも慌てないレシピ〜
新宿区落合
参加費 5、000円(税込)
講師 DRYandPEACE(詳細はこちらから)
2月12日(火) 11:00〜13:00
乾物で、防災食もこんなに変わる!
〜もしもの時にも慌てないレシピ〜
新宿区落合
参加費 5、000円(税込)
講師 DRYandPEACE(詳細はこちらから)
3月7日(木)①11:00〜12:00 ②14:00〜15:00
火がなくても作れちゃう!普段も美味しい!乾物防災食入門
TSUTAYA町田木曽店
参加費 各回とも2,000円(税込、ミニお土産つき)
講師 DRYandPEACE(詳細はこちらから)
3月9日(土)11:00〜13:00
乾物で、防災食もこんなに変わる!
〜もしもの時にも慌てないレシピ〜
八王子 埼玉屋本店
参加費 4、000円(税込)
講師 DRYandPEACE(詳細はこちらから)
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